注文住宅を考える人が一度は検討する無垢の家。
自然素材ならではの魅力がもたらす素敵な毎日に憧れる人が多い一方、実は無垢の家は多くの後悔も生んでいます。
無垢の家を選んで後悔する7つのポイントを整理しましたので、検討中の方はぜひ知っておいていただきたいと思います。
とはいえメリットも大きいことは間違いありませんので、最後には「こんな人は無垢の家に向いています」というタイプも説明します。
あなたは無垢の家に向いているのでしょうか?
無垢の家とは
家を建てるのに用いる木材に「無垢材」を使うのが無垢の家です。無垢材とは天然木から切り出した一枚板のことで、木と木を貼り合わせた「合板」と比較されます。
合板は接着剤など人工的な素材や物質が含まれていますが、無垢材は化学物質を使っていないので健康面で安心感があったり、加工が少ないので自然素材の良さを活かせたりするという特徴があります。
無垢材は天井や柱、床に用いられますが、もっともポピュラーなのは素足で肌ざわりを楽しめるフローリングに無垢材を用いるケースです。
無垢の家のメリット
一言でまとめるならば「自然素材の良さ」を感じられることが無垢の家のメリットです。
自然素材である無垢材には以下のようなメリットがあります。
- 健康面の安心
- 見た目・風合い
- 肌ざわり
- 調湿効果
- リラックス効果
健康面の安心
接着剤などの化学物質や人工素材を用いないため、シックハウス症候群などの健康リスクを低減することができます。お年寄りや子ども、ペットのいるご家庭では特に重視されるメリットであるといえます。
見た目・風合い
自然素材ゆえのあたたかみを感じさせる雰囲気も無垢の家のメリットです。木のぬくもりや木目の美しさなど、合板では決して得られない贅沢な満足感を得ることができます。経年によって「古美た」味わいが増していくことも、自然素材ならではの魅力です。
肌ざわり・心地よさ
素足などで直接触れたときの心地よさは、無垢の家の最大のメリットかもしれません。無垢材特有の凹凸感ややわらかさがあり、しかも熱を伝えにくいので冬もひんやりしにくいなど、日々の生活を快適にしてくれます。
調湿効果
無垢材は吸湿性、放湿性に優れるため、室内の湿度を快適に保ってくれる効果があります。
夏はさらりとして涼しく、冬はじんわりとあたたかい状態をキープしてくれるので、快適なだけでなく省エネ効果も期待できます。
リラックス効果
「森林浴」という言葉もあることからわかるように、樹木にはリラックス効果があるといわれています。これは樹木から発せられる芳香成分によるものです。無垢材は素材の香りが残っているので、室内にいてもまるで森林浴のようにリラックスできるのです。
無垢の家で後悔しやすい7つのポイント
無垢の家にはこんなにたくさんのメリットがあるのに、どうして後悔する人が後を絶たないのでしょうか?自然素材であるがゆえに生じる後悔のポイントをまとめました。
住んでみて初めてわかることが多いので、許容できるものであるかどうかを事前によく考える必要があります。あなたはいかがでしょうか?
- 見た目や品質にバラつきがある
- 湿度の変化によって変形する・割れる・音が鳴る
- 日焼けなどで変色しやすい
- 傷つきやすい
- 水分に弱くシミになりやすい
- メンテナンスに手間がかかる
- 暖房器具の制限がある
見た目や品質にバラつきがある
自然素材ですので、人工の建材と比べて当然ながら見た目や品質にはバラつきが出てきます。不揃いであることや色味に若干の違いがあることを自然素材ならではの魅力と感じるかどうかは人によるでしょう。
湿度の変化によって変形する・割れる・音が鳴る
湿度調整に一役買ってくれる無垢材は、一方でその湿度によって膨張したり収縮したりするなどの変形が生じます。
変形によって感じられるデメリットとして、床材であればスキマができてゴミが溜まってしまうこと、急な変形で割れてしまうこと、歩いていると床鳴りといって音がすることなどが挙げられます。
日焼けなどで変色しやすい
だんだんと味が出てくる経年変化は自然素材の楽しみのひとつとしても挙げられますが、一方で変色しやすいデメリットととらえることもできます。特に日当たりによって異なる状態に変わっていくことから色味にバラつきが生じやすいため、不揃い感を不快に思う方にとっては避けがたく見過ごせないデメリットであるといえるでしょう。
傷つきやすい
メリットであげた肌ざわりの良さは無垢材のやわらかさに起因するところが大きいのですが、これは一方で傷つきやすいデメリットにもなり得るポイントです。
物をぶつけたり落としたりすればすぐにヘコみができますし、床材は家具(特に椅子など)を動かすことによって擦り傷ができていきます。
水分に弱くシミになりやすい
無垢材の表面には無数の穴が空いており、これが吸湿効果をもたらすのですが、同時に床にこぼれた水分なども素早く吸収してしまうのですぐに手入れをしないとあっという間にシミができてしまいます。
水ならばまだ良いのですがコーヒーなど色のついた液体の場合はかなり濃いシミになってしまうので特に注意が必要です。またただの水でも表面の汚れと一緒に染み込んでシミを作ることがあるので油断はできません。
メンテナンスに手間がかかる
無垢材の状態を保つには年に1回~2回のワックスがけやオイルがけが必要です。また上述のシミを防ぎたい場合は念入りな拭き掃除が必要になるなど、お手入れの面で少々手間がかかるのが無垢の家のデメリットのひとつです。
お手入れを「愛着」として楽しめるかどうかによって、感じ方は大きく異なります。
暖房器具の制限がある
床材に無垢を用いるケースでは床暖房やコタツ、ストーブなどが使えないことがあります。
暖房器具は水分を飛ばしてしまうため無垢材が乾燥してしまい、変形や劣化の原因になってしまうためです。住まいの地域の気候やご自身のライフスタイルに照らし合わせて検討する必要があります。
無垢の家で後悔しないタイプの人
7つものデメリットを挙げてしまったので「無垢の家は後悔しやすいのか?」と思われるかもしれません。しかしそれでも長きにわたって家に無垢材が用いられ、多くの人の憧れになっているのは後悔を補うほどのたくさんの魅力があるからに他なりません。
以下のようなタイプの方であれば、デメリットよりもメリットを多く感じられるでしょう。
- バラつきや変化を「味わい」だと思って楽しめる人
- 細かい傷などを神経質に気にしない人
- メンテナンスも「愛着」として手間をかけられる人
- 健康面の安心感などが最優先事項の人
あなたはいかがでしょうか?
無垢の家で後悔しないタイプの方でしたか?
まとめ
たくさんの魅力がある一方で後悔しやすい点も多い無垢の家。
向いているかどうかは、自然素材ならではの特徴を魅力だと思うか不便だと思うかによります。
メリットもデメリットもあるのは紛れもない事実ですから、大切なのは事前に正しい知識を持つことです。
この記事がご判断の参考になれば幸いです。