無垢材の家は高い?希望の価格で建てるための5つのポイント

温かみがあり自然なデザインを楽しむことができる無垢材の家。複数の木材を組み合わせた合材を使用して建てる一般的な家よりも価格が高いイメージがありますが、なぜ無垢材の家は高いのでしょうか。よく調べて希望の価格で無垢材の家を建てましょう。

無垢材の家とは

1本の木から切り出して作られた材料を無垢材と呼び、この無垢材を用いて作られた家を無垢材の家と呼びます。自然な木目から得られる温かみのあるデザインや肌触りの良さなどが注目されており、幅広い世代から人気を集めています。

一方で同じ木材でも、細かい木材を接着剤を使ってつなぎ合わせて作られた材料を「合材(集合材)」と呼ばれ、こちらのほうが一般的な家でよく用いられています。

無垢材の家のメリットとデメリット

合材と比較される無垢材にはどんなメリット・デメリットがあるのか簡単にみてみましょう。

無垢材の家のメリット

  • 耐久性の高さ
  • 肌ざわりの良さ
  • 調湿効果
  • あたたかみのある見た目
  • 森林浴のようなリラックス効果

無垢材で建てた家は、鉄筋コンクリートよりも丈夫と言われるほど耐久性や耐震性に優れています。また肌触りが良くや調湿効果もあるため、快適で過ごしやすい空間を作ることができるのも魅力です。

無垢材の家のデメリット

  • 素材の品質が一定ではない
  • 変形・割れ・床鳴り
  • 変色する・傷つきやすい・シミができる
  • 手入れが必要
  • 価格が高い

デメリットを挙げましたが、傷やシミは注意することで最小限に抑えることができますし、最近では自分で簡単に補正することも可能となっています。また、建材の変形や品質が一定ではないことも挙げられていますが、変化することで唯一無二のデザインとなり、魅力に感じられることもあります。

そう考えると実質的な一番のネックはやはり費用となります。

無垢材の家の価格はなぜ高いのか?

無垢材は1本の木から1つの材料を作ります。10本の柱が必要であれば10本の木が必要となるため数の確保が難しい材料です。また、1本1本削って形を整え乾燥させたりと職人の手間と時間もかかります。そのため、簡単に量産できる合剤とは異なり価格が高くなります。

次に、無垢材は合材よりも耐久性が高いのが特徴です。たとえば国産のヒノキ材は伐採されてから200年間かけて徐々に強度が増していき、そこから1,000年間をかけて元の強度に戻っていくといわれています。歴史的な建築や古民家などには無垢材が用いられており、多くの建築が建材であることからもその耐久性の高さがわかります。

家の寿命も長くなるため、価格が高くなるのは納得できます。

希望の価格で無垢材の家を建てるための5つのポイント

価格が高くなるとはいえ、無垢材を使って家を建てるためには、どこで建てるか・どこに無垢材を用いるかなど、希望の家のイメージを膨らませることも大切です。

そこで以下では、価格を抑えて無垢材の家を建てるために見るべきポイントをまとめます。ぜひ参考にしてみてください。

使用する箇所を絞る

価格を抑える上で、まず簡単にできることといえば使う箇所を絞ることです。全ての柱、すべての床に無垢材を使う必要はありません。

お風呂場など湿気が多い場所など無垢材との相性が悪い箇所を避け、リビングなど家族が集まり長い時間を過ごす場所に使えば、家族団欒の時間がより快適な時間になります。

部屋に限らず、フローリングだけ、柱だけのようにポイントで使うなど、無垢材を用いる箇所を絞ることである程度価格は抑えることができます。

地域に根付いた工務店を選ぶ

質の高さや保証制度・メンテナンス制度が充実している大手ハウスメーカーはブランド力もあり、魅力的に感じる方も多いと思います。しかし、広告費や開発費用など自分の家とは関係のない部分にかけるお金も多いため、その分価格は高くなります。

それに比べ地域に根付いている工務店は、建築費用に関係ない部分の費用が発生しにくいため、大手ハウスメーカーよりも安く家を建てることが可能になります。また、馴染みの(長い付き合いのある)材木店があることが多いため品質と価格のバランスを考えると選ぶべきは工務店と言えます。

流通量の多い外国産を選ぶ

国産の木材は、日本の高温多湿な気候の中で育った木材です。そのため日本の特徴的な気候によく適し高い調湿効果を発揮しますが、輸入無垢材に比べて流通量が少ないことから、価格は高くなります。

外国産の木材は、日本とは異なる気候で育っているため高温多湿に適さない場合がありますが、流通量が多いため比較的安価で入手することができます。

広葉樹より針葉樹を選ぶ

広葉樹

広葉樹は成長が遅く無垢材になるまでに時間がかかるため、価格は比較的高くなります。

広葉樹の例

オーク(ナラ)、サクラ系(チーバ・カバ)ウォールナット(クルミ)、チーク、チェストナット、アカシア、メープル(カエデ)

針葉樹

それに対して針葉樹は、成長が早いことから、供給量も多いため比較的安い材料です。

針葉樹の例

パイン(マツ)、ヒノキ、スギ、カヤ、モミ

無垢材の種類ごとの価格を知る

無垢材の種類によっても価格が異なります。希望の価格・希望のデザインと照らし合わせてながら納得のいく無垢材を選びましょう。

パイン材

相場:レッドパイン(欧米産)で1㎡あたり3000円程
   国産クロマツで1㎡あたり1万5000円程

パイン材はマツ科の木からとれる木材です。パイン材の中でも種類が多く価格の幅も広いのが特徴です。

スギ材

相場:国産杉で1㎡あたり1万円程度

柔らかさが特徴のスギ材。空気の層を多く含む木材のため、木の温もりを感じやすく手触りも非常に良いとされています。

ヒノキ材

相場:国産杉で1㎡あたり1万2000円程度

ヒノキ風呂として浴槽などにも使われるほど、水に強く、腐りにくいという特徴があるヒノキ材。

チーク材

相場:1㎡あたり7000円程度

美しい木目が特徴のチーク材。硬く強度が高いことから害虫にも強く、耐久性が高い材木です。時間が経つと木材のもつ油分が材面に染みでて色の深みが増すため、表情の変化を楽しむことができます。

アカシア

相場:1㎡あたり7000円程度

東南アジアに多く生息する木で、その種類は多く500~600種類以上あるとも言われています。その分価格の幅も広い材木でもあります。硬さがあり強度が強いため床材として多く用いられます。

まとめ

さまざまなスタイルにフィットする無垢材。初期費用はかかるかもしれませんが、無垢材を使用する箇所や材木の種類など、ポイントを抑えることである程度価格を抑えることができます。しっかり検討して理想の家建てましょう。