「日当たりが良い」という理由から人気が高い南道路の土地。一方で南道路には「プライバシー」に関するデメリットもあります。
日当たりが良いという立地を活かして南側に大きな窓を設けることが一般的ですが、間口が南側の道路に面しているということはそれだけ人の目に触れやすいということの裏返しでもあります。
例えば1階の南側に大きな窓とLDKのリビングを設けて開放的な間取りにしたにも関わらず、人目が気になって日中はカーテンを開けられなくなったというケースなどがあります。
本記事ではプライバシーに配慮した南道路の家づくりを進めるために整理すべき2つのことと、4つの具体的なプライバシー確保策をお伝えします。
なぜ南道路は人気なのか?
そもそもなぜ南道路は人気なのでしょうか?その理由は2つあります。1つ目は先述した「日当たりの良さ」です。日当たりが良いことによって例えば以下のようなメリットがあります。
- 洗濯物が乾きやすく、殺菌効果も期待できる
- 冬の寒い時期でも日中は暖かいことが多い
- 室内にカビが生えにくい
- 日中の照明が不要なので電気代の節約になる
2つ目の理由は「開放感」を得られるからです。先述のように南道路の間取りでは南側に大きな窓や庭やベランダを設けるため、より開放感を得ることができるのです。照明などの人工的な光が中心の生活ではなく自然光が降り注ぐ開放的な空間での生活は、多くの人の憧れです。
南道路にもデメリットがある
日当たりが良く開放感を得られるという理由から人気のある南道路ですが、一方で南道路ならではのデメリットも存在します。代表的なデメリットを詳しく解説していきます。
- 土地価格が高い
- 日当たりが良いとは限らない
- プライバシーを守りにくい
土地の価格が高い
南道路は供給が少なく需要が多いため、高値で取引される傾向にあります。実際の価格を北側道路と比較すると5%~10%の価格差があります。条件良い南道路であるほど高値になるため、限られた予算の中で希望にあった土地が見つけることは難しいといえるでしょう。
日当たりが良いとは限らない
南道路であるからといって、必ずしも日当たりが良いとは限りません。例えば間口が4メートルの家において、南側に理想的な幅とされる1.6m幅の玄関を設けた場合、日の当たる幅は2.4mしかありません。一般的な駐車スペースの幅が2.3m以上のため、南側に駐車スペースを設けた場合は日の当たる面積が非常に限定的になってしまいます。
また、周辺環境によっても日当たり具合は大きく左右されます。道路を挟んだ向かい側にマンションが建っている場合は、少なくとも1階部分に日は当たりにくいでしょう。
プライバシーを守りにくい
南道路の最大のデメリットは、プライバシーを守りにくいという点です。冒頭で述べたように南側に道路があるということは、それだけ通行人の視界に入りやすいということでもあます。家の中が外からはっきりと見えてしまったり、南側にベランダを設けた場合は洗濯物が見えてしまったりすることが想定されます。
場合によっては家族構成が知られてしまうなど防犯面に影響があることも考慮すると、南道路においてプライバシーの問題は最も解決すべきデメリットと言えます。
南道路のプライバシー保護で整理すべき2つのこと
南道路の家のプライバシーを守るために整理しておきたいことが2つあります。この2つをしっかりと整理しておくことで、本当に心地の良いストレスのない生活を送ることができるようになります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
入居後の生活を具体的に想像する
1つ目は、入居後の自身や家族の生活のイメージをふくらませることです。例えば週末は家のどのスペースで過ごしていることが多くなりそうか、洗濯物はどのスペースで干しているかなどできる限り具体的な生活を想像することによって、「いつどの場面を人に見られたくないか」、もしくは「いつどの場面であれば見られてもよいか」を整理することができます。
また、現在の住居におけるプライバシーに関わる気づきを整理しておくことも有効な方法です。新しい家で同じような問題が起きないよう、あらかじめ家づくりの計画に盛り込むことができます。
プライバシーの許容範囲を検討する
2つ目は、プライバシーの許容範囲を検討することです。ベランダの洗濯物はどの程度見られてよいのか、庭でくつろいだり子どもたちが遊んでいる様子を見られてよいのかなど、「どこ」を「どの程度」隠したいのかをしっかりと検討しましょう。特に重要なことは、家族内で検討をすることです。同じ家族であってもプライバシーの許容範囲は異なることが多いでしょう。家族内でしっかりと話し合うことが、ストレスのない快適な生活につながります。
南道路のプライバシー確保策
南道路のプライバシーを守るための4つの対策を解説します。入居後の生活や自身・ご家族の許容範囲をイメージしながら、最適な方法を検討しましょう。
①南側に庭や駐車場を設ける
日当たりの良い南道路のすぐ側に大きな窓を設置してしまうと、人目につきやすくなるというデメリットがありました。そこで南側に庭や駐車場を設けることで、家と道路のスペースを作ることができるので、その分だけ一目を遠ざけることができるようになります。
②目隠し用のフェンスを設置する
通行人からの視線を避ける方法として効果的な対策として、目隠し用のフェンスを設置することも非常に有効です。例えば庭に人の目線よりも高いフェンスがあることによって外から覗くことができなくなるので、外の開放的な空間を安心して楽しめるようになります。
フェンスにもいくつか種類があり、板塀やメッシュフェンス、ウッドフェンス、スクリーン型フェンスなどが代表的です。また植栽で生け垣を作る方法も人気です。日の入りやすさや遮蔽率、費用などそれぞれのメリット・デメリットがあるため、実施したいプライバシー対策に最適な目隠し用フェンスの種類を検討しましょう。
③ベランダやリビングを2階にする
2階にベランダやリビングをつくる間取りもおすすめです。南道路に日当たりの良さというメリットを活かしつつ、通行人から家の中を見られる心配はありません。家族だけのリラックスした時間を過ごすことができます。目隠し用フェンスの費用を削減できるといったメリットもあります。
④中庭を設ける
面積の大きな敷地がある場合は、1階をコの字型のLDKにして、そのスペースに中庭を作る方法も有効な対策のひとつです。中庭であれば南道路の日当たりの良さはそのままに、人目を気にすることなく洗濯物を干したり、ランチを楽しんだりできるようになります。
さらに1階のLDKからも常に中庭が見れる間取りにすることで、開放的な空間を演出することもできます。他にも子どもが遊びに夢中になって外に飛び出してしまう心配も不要になるなど、敷地に余裕がある場合はぜひ検討したい方法です。
まとめ
日当たりが良く開放的な空間で生活ができるという理由から人気の南道路ですが、プライバシーに配慮した対策をしっかりと講じなければ思い描いていた心地のよい生活を送ることは難しいと言えます。そこで本記事ではプライバシーに配慮した南道路の家づくりを進めるために整理すべき2点と具体的な4つのプライバシー対策を解説しました。解説した内容をしっかりと理解し、後悔のない家づくりを進められてください。
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