注文住宅で忘れがちな7つのポイント │「忘れてた!」ですべてを台無しにしないために

家は3回建てなければ満足できないと言われています。その理由のひとつは、初めて家を建てるが故に気が付きにくい「忘れがち」なポイントをついつい見逃してしまうから。

この記事では注文住宅を建てるときに誰もが忘れがちな7のポイントを整理します。特に初めての注文住宅を検討している方はしっかりチェックしてみてください。

忘れがちポイント①:諸費用

まずは注文住宅を建てる前の段階で忘れがちなポイントからです。それが資金計画における「諸費用(諸経費)」を考慮すること。

注文住宅を建てるのにかかるお金は建物と土地の費用だけではありません。建物・土地・融資に関する事務手続き費用などの諸費用が想像以上にかかってきます。

金額は建物の大きさなどによって変動しますが、概ね予算全体の10%ほどを占めると言われています。たとえば土地1500万円+建築費2500万円=4000万円で家を建てる場合、400万円程度の諸費用を見込んでおく必要があるということになります。

諸費用として発生するものの一例を以下に示します。

資金計画において忘れがちなポイントですので、まずは「忘れてた!」というものがないかご確認ください。

建物に関する諸費用
項目 金額
火災保険料 30万円
建物登記費用(表示・保存登記) 20万円
請負契約印紙代(※) 1~3万円

※請負契約印紙代:記載金額が100万円を超え、令和4年3月31日までの間に作成される契約書については軽減税率が適用されます。詳しくは国税庁のウェブサイトでご確認ください。

>国税庁「建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置」

 

土地に関する諸費用
項目 金額
仲介手数料 税抜き売買代金×手数料率+消費税

(不動産会社による)

土地登記費用(所有権移転登記費用) 15~20万円

(土地の評価額による)

売買契約印紙代(※) 2千円~3万円

(契約金額による)

水道加入金 20万円(自治体による)
受益者負担金 1㎡あたり約430円

※売買契約印紙代:記載金額が10万円を超え、令和4年3月31日までの間に作成される契約書については軽減税率が適用されます。詳しくは国税庁のウェブサイトでご確認ください。

>国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」

 

融資に関する諸費用
項目 金額
取扱手数料 3万~5万円
保証料または手数料 借入額や返済期間による
登記費用(抵当権設定費用) 住宅ローン借入額✕0.4%
契約印紙代 1,000万円超5,000万円以下:20,000円

(契約金額による)

 

その他にもこまごまとかかる想定外の諸費用について、そのすべてを確認したい方は以下の記事をご覧ください。

>「意外にかかる!?注文住宅の諸経費の全て

忘れがちポイント②:駐輪スペース・自転車置き場

続いて注文住宅の内装に触れる前に、「外」で忘れがちなポイントとして駐輪スペース・自転車置き場を挙げておきます。

通勤や通学、子どもの送り迎えや日々の買い物などに自転車を使っていませんか?あるいは今使っていなくても、引っ越した先の新居では自転車を使うことが想定されませんか?

マイカーをとめるための駐車スペースはしっかり検討していても、屋外に自転車を置いておくための駐輪スペースはかなり忘れがちです。もしくは考慮していたとしても、実際に使い勝手の良い設計になっているかは再考の余地があります。

よくあるのはマイカーのスペースに一緒に自転車を置いておくケースです。しかしこのパターンは往々にして「狭くて自転車が出し入れしづらい!」とか「自転車がジャマで車の駐車が大変!」という結果になりがちです。

また今は子どもがいない、もしくは子どもが小さかったりする場合に、家庭全体で保有する自転車の数が増えることを想定していないケースもよくあります。

自転車を使う生活が想定される場合は、家族全員がスムーズに利用できる十分な駐輪スペース・自転車置き場を忘れずに設置しましょう。

忘れがちポイント③:部屋の広さ

さてここからようやくお家の中のポイントに移ります。

「部屋の広さを忘れるって何だろう?」と思うかもしれませんが、実はかなり忘れがちなポイントです。

初めて注文住宅を建てる方の多くは図面を見慣れていないため、平面の間取り図から実際の空間感覚をつかむ上でズレが生じやすくなります。わかりやすくいえば「もっと広いと思ってた!」ということになりがちなのです。

その主な原因は「モノ」と「ヒト」が入ることを想定していないため。

たとえば「寝るだけだから狭くて良い」と思っていた寝室。ここにテレビや棚、タンスなどが入ったりすると、あっという間にベッドすら窮屈になってしまったりします。

お風呂の脱衣所も狭くなりがちです。洗濯や洗面のスペースを兼ねていたりすると洗濯機や洗濯物干しがかなりスペースを取ってしまいます。ここに朝の支度で家族みんなで利用したりすればすぐにぎゅうぎゅうです。

また来客が想定されるご家庭の場合、家族の人数だけを考えてリビングを作ったら人を呼ぶスペースがなくなってしまった、なんてこともあり得ます。

各部屋の広さを決めるときは、その部屋にどんなモノが置かれてどれだけのヒトが利用するかを忘れずに考慮しましょう。

忘れがちポイント④:生活動線

広さと同様に間取り図から読み取りづらいのが生活動線です。

生活動線とは家の中を移動するヒトの流れのことで、どこからどこへ・誰が(何人が)・どのくらいの頻度で・何を持って移動するのか、を考慮しなければならないポイントです。

特に忘れがちで後悔しやすいのが洗濯の動線です。脱衣・洗濯・物干し・取り込みまでの一連の流れで考えたときに、一箇所でも場所が離れていたり設備が不十分だったりすると毎日の生活に一気にストレスがかかることになります。

また子どものいるご家庭では朝の時間は忙しくなりがちですので、複数のヒトが同時に一箇所を利用することを想定して動線が設計されていないと、家の中で大渋滞が発生してしまいます。

「リビングを通らないとお風呂場に出入りできない」というのもよくある失敗です。プライベートな空間とパブリックな空間の交差は念入りに計画する必要があります。

自身の生活を具体的に想定しながら、設計士とじっくり相談して間取りを決めていきましょう。

忘れがちポイント⑤:収納

もっとも忘れがちなポイントが収納です。

「収納スペースが足りない」を筆頭に、収納の場所が利用場所から離れている、収納の奥行が深すぎて使いづらい…など、収納は注文住宅における多くのを失敗を生んできました。

忘れがちという観点で特に留意すべきは玄関の収納スペースです。下駄箱・シューズクロークを忘れることはないでしょうが、「思ったよりも靴が多くなってしまった」ということはよくありますし、また玄関には傘や自転車用品など外出直前に使用するものを多く収納したくなるものです。

これを想定しなかったことで玄関が散らかってしまうケースは誰にでもあり得ますので、十分な収納スペースを設けることをおすすめします。

収納場所と出し入れするものを使う場所が近いことも必須ですが、忘れがちです。そのため屋根裏収納などは使い勝手が悪くなりやすく、よく失敗の原因になっています。

またウォークインなどの大きな収納スペースにおいては照明をつけ忘れた、という話はよく聞こえてきます。

とにかく収納に関する忘れがちポイントはたくさんありますので、インターネットで失敗事例などを検索しながら、設計士にもじっくりと相談しましょう。

忘れがちポイント⑥:コンセント

間取りのプランニングにおいて終盤に検討するので忘れがちですが、生活にとても大きなインパクトを与えるのがコンセントの数や位置です。

よくあるのは「家具の設置場所を十分に考えていなかった」というものや、「掃除機のコンセントを差すことを考えていなかった」というものです。

寝室や個室では枕が来る位置に十分な数のコンセントが必要ですし、トイレや廊下などのスペースにはそもそも設置することすら忘れがちになってしまいます。

コンセントを設置すべき数の目安は以下のとおりです。

  • トイレや廊下などの小さいスペース:1ヶ所
  • 6畳間:2ヶ所
  • 8畳間:3ヶ所
  • 10畳間:4ヶ所
  • 12畳間以上:6ヶ所以上

配線によっては後から追加するのも容易でないこともあるため、コンセントの数や位置は十分以上に検討して決めましょう。

忘れがちポイント⑦:将来の家族構成・ライフスタイル

最後に挙げるのは、考え方として忘れがちなポイント「将来の家族構成・ライフスタイル」です。家族構成については以下のような変化が考えられます。

  • 子どもが増える
  • 子どもが巣立っていく
  • ペットが増える
  • 高齢の両親が同居するようになる
  • 世帯主が高齢化する

また家族構成によってライフスタイルも大きく変化するでしょうから、10年後や20年後を見据えて部屋の広さや動線を考えなければいけません。

子ども部屋、趣味に関する部屋、家族団らんのスペース、バリアフリーなどは特に失敗につながりやすい要素になり得ますので、忘れずによく考えるようにしましょう。

まとめ

注文住宅を検討するときに忘れがちで、しかもきわめて重要な7つのポイントを紹介しました。読んでいただいてひとつは「たしかに!忘れるところだった!」というものがあったかと思います。

注文住宅は考えることがたくさんありますので抜け漏れは出てしまいがちなのですが、十分に備えれば初めてでもしっかりと理想の家をつくることができます。わたしたちラフェルムオンラインはすべての方が理想の家を楽しく実現できることを願っています。

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