塗り壁の3つの種類と特徴 | 注文住宅で選ばれる代表的な塗り壁をご紹介

注文住宅で人気のある外壁材のひとつが「塗り壁」です。塗り壁にはたくさんの種類があり、どれを選ぶかによってその家の印象が大きく変わります。

家づくりを考えるときは間取りや内装、動線ばかりに目が行きがちですが、その家の第一印象を決めるのは外壁ですので、しっかりとこだわりたいポイントです。

塗り壁は伝統的な日本家屋の外壁に使われているイメージが強いですが、実はその種類や仕上げ方によって異国情緒が漂う外観にすることができます。

本記事では、注文住宅に使われている代表的な塗り壁3種類とそれぞれの特徴を実際の写真と一緒に解説します。

この記事で塗り壁の理解を深めて、納得した家づくりを進めてください。

そもそも塗り壁とは?

塗り壁とは土や水、植物などの自然素材を使った外壁のことです。左官職人が手作業で丁寧に作り上げるため、つなぎ目のないシンプルな美しさにしあがります。これが塗り壁の選ばれる理由のひとつです。

外壁の下地は基本的に同じような素材を使っており、上塗りする素材の違いによって塗り壁の種類が決まります。

また同じ種類の塗り壁でも、その模様や色によってその家の印象は大きく異なります。加えて、タイルやレンガと組み合わせて作ることができるなど意匠性や自由度が非常に高いことも魅力で、塗り壁であれば世界でたったひとつだけの外壁を作ることができます。

(漆喰壁の基礎部分に石のタイルをはめたお家)

 

その他にも自然素材を使っているので人体にも優しいことや、高温多湿な日本の風土に合っていることも、塗り壁が人気な理由です。

注文住宅で選ばれる代表的な塗り壁3種類

注文住宅で使用されている代表的な塗り壁3種類をご紹介していきます。

それぞれの塗り壁の特徴もあわせてご紹介しますので、あなたの理想のお家に適した塗り壁の種類は何か、ぜひこの記事を参考に検討にしてみてください。

  • ①土壁
  • ②漆喰壁
  • ③モルタル壁

①土壁

土壁とは?

土を主原料に水や藁、麻、砂などを組み合わせた素材で塗り上げた壁が「土壁」で、注文住宅で使用されている塗り壁の中でも代表的な存在です。

日本は四季がはっきりと分かれていることにより気温の変化の差が大きく、また雨の多い多湿環境です。土壁はその特徴(詳しくは後述)から、そんな日本の気候風土にあった壁であるため古くから日本家屋の外壁に使用されてきました。

住宅の外壁だけでなく温度や湿度変化を徹底的に管理する必要がある酒蔵や貯蔵庫にも使用されており、日本に合った外壁であることが分かります。

 

土壁の特徴

日本の風土に適している土壁の特徴は主に3つあります

1つ目は、調湿機能に優れていることです。梅雨や夏場の湿度の高い時期は空気中の水分を壁の中に吸収し、反対に乾燥した湿度の低い時期は水分を放出してくれる機能があります。そのため1年を通じて快適な湿度を保てることが土壁の良さです。また冬場は結露も防止してくれるため、カビの発生を抑えてくれる効果も期待できます。

2つ目は蓄熱機能です。土壁には暖かい空気や冷たい空気を外に放出しにくいという特徴があります。夏の暑い時期はクーラーで冷やされた空気が、冬の寒い時期は暖かい空気が外に逃げにくいため、室内の気温管理がしやすくなります。

そして3つ目は、脱臭・空気清浄機能です。土壁には、家にこもりがちな料理のニオイや生活臭を吸収してくれる働きがあります。ニオイ成分だけでなく、ハウスダストやタバコなどの有害汚染物質も吸収してくれる効果があるため、清潔な環境で過ごすことができるのも、土壁の特徴の1つです。

②漆喰壁

漆喰壁とは?

消石灰を主原料に海藻の一種や水、藁、麻などを混ぜて練り合わせた素材で塗り上げた壁を「漆喰壁」といいます。漆喰壁の魅力はなんといっても白く滑らかな美しい仕上がりで、その美しさから城壁や神社仏閣などにも使われてきました。

ラフェルムのコンセプトである「フランスの片田舎」をイメージして建てられた注文住宅の多くが、外壁に漆喰を取り入れています。

 

漆喰壁の特徴

漆喰壁の特徴は主に3つあります。

1つ目は、城壁や神社仏閣などに用いられるほどの意匠性の高さです。左官職人による仕上げの模様パターンが豊富なため、あなた好みのアンティークな外壁にすることができます。またツルツルとした独特の質感は漆喰壁ならではと言えます。

2つ目は防火性に優れている点です。漆喰の主成分である消石灰は防火性に優れており、建築基準法の中でも不燃材料として認められています。近隣で火災が発生した時に火が燃え移りにくいだけでなく、もし屋内で出火した場合は周囲に火が燃え広がりにくいなど、防災面でも優秀な素材です。城壁や神社仏閣に漆喰壁が採用された理由は意匠性に加えてこの防火性の高さがありました。

3つ目は、吸音・遮音性の高さです。漆喰壁は密度が高く仕上がるため、外からの音が入りにくいという特徴があります。また細かな穴が多い多孔質であることから室内の音も外に逃げにくく、音の反響もしにくいということも特徴です。

学校の音楽室の壁にたくさんの穴が空いているのを見たことがあると思います。漆喰壁の内部はまさに音楽室のような空間が広がっています。小さなお子様がいらっしゃる方や日常的に音楽を楽しまれる方には漆喰壁がおすすめです。

③モルタル壁

モルタル壁とは?

セメントを主原料に砂と水を混ぜ合わせた素材で練り上げた壁のことを「モルタル壁」といいます。仕上げの方法によって同じモルタル壁であってもまるで別の素材を使用している見た目に仕上げることができます。

 

モルタル壁の特徴

モルタル壁の特徴は2つあります。

1つ目は防火性の高さです。モルタル壁は、セメント・砂・水から出来ているため燃えづらく、また火が燃え移りにくいという特徴があります。

諸説ありますが、明治時代以降にモルタル壁が日本の住宅に使用されるようになったのは、この防火性が理由になったと言われています。

2つ目がデザイン性に優れている点です。基本的に白一色の漆喰壁とは異なり、好きな色を塗れるのがモルタル壁の特徴です。外壁の側面毎に色をわけたり縦や横のラインで色分けしツートンカラーにしたりするなど、あなた好みのおしゃれな外観に仕上げることができます。

まとめ

注文住宅で使用されている代表的な塗り壁3種類をご紹介しました。

近年では、自然素材の価値や魅力が再認識され始めており、塗り壁に注目が集まっています。塗り壁にはいくつかの種類があり、それぞれによって特徴が異なります。

またそれぞれの塗り壁によってデメリットがあることも事実です。そのためどのような外観にしたいかだけでなく「どのような生活を送りたいか」、「どのような手入れが必要か」などを妥協せずひとつひとつ吟味することをおすすめします。

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