家の購入を検討している方必見!工務店とハウスメーカーの違いとは?

注文住宅の購入を検討し始めると、最初に悩むのが、施工業者を

  • 工務店にするか
  • ハウスメーカーするか

ではないでしょうか。

ハウスメーカーは全国で展開していて、工務店は地元に根付いているようなイメージはあるかもしれません。それぞれの、具体的な違いをしっかり理解しておくことは、自分の理想とする家づくりを行うためには非常に重要です。

この記事では、これから注文住宅の購入を検討している方に向けて、

  • 工務店とハウスメーカーの違い
  • 家づくりにおいて比較すべきポイント

について説明していきます。

工務店・ハウスメーカーの違いとは

実は、工務店とハウスメーカーを決める明確な定義はありません。一般的な見方で違いを言うと、

  • 工務店は「地域密着型で比較的自由な設計
  • ハウスメーカーは「全国展開でパッケージされた商品をもとに設計

と表現できるでしょう。

工務店は地域に根付いて事業を展開している事が多く、施工範囲は特定の地域のみです。お客さんの要望に対して一から設計していくため、間取りはもちろんのこと、キッチンなどの設備や、階段やクローゼットや棚の形状なども柔軟に要望を聞いてくれることがあります。

ハウスメーカーは大まかな設計プランは各社が出しているので、そこから選択することが基本です。プランが決まっているため、高い品質と安心感があるものを提供できます。

工務店・ハウスメーカーのメリット、デメリット

「施工会社を決めるまで」「設計や建築中」「建築後」の3つ観点から工務店・ハウスメーカーのメリット、デメリットをご説明していきます。

工務店メリット・デメリット

一般的な工務店のメリット・デメリットを紹介します。

期間 メリット デメリット
施工会社を決めるまで ・アットホームな雰囲気で相談ができる。 ・施工地域に制約がある。
設計や建築中 ・自由な設計が可能。 ・職人の腕に依存するので品質にばらつきが出ることがある。
建築後 ・担当者が変わりにくいので、連絡が直ぐに取れる ・保証期間が10年くらいと短いことがある。
・人手が不足しているとアフターフォローが遅れる。

これらは、工務店によっては当てはまらないこともあるため、参考までとしてください。

例えば、職人の腕に依存してしまうことをデメリットで挙げていますが、工務店によっては信頼できる大工のみに依頼している場合もあります。その場合は、むしろ腕の良い職人が建ててくれることが保証されるので、メリットになることもあります。

より具体的にするには、各工務店の特徴をしっかりと洗い出すことをお勧めします。

ハウスメーカーメリット・デメリット

続いて、ハウスメーカーのメリット・デメリットを紹介します。

期間 メリット デメリット
施工会社を決めるまで ・HPや冊子などで情報がまとまっているので、情報を得やすい。 ・モデルハウスだと大きすぎるので、実際に住むイメージがわきにくい。
設計や建築中 ・建設しやすいように、工場生産や金具などを適切に使用しているため、品質が安定する。 ・商品が規格化されているので、間取りや設備に制約がかかる。
建築後 ・各地に営業所があり、営業担当も多いため、迅速に対応してくれる。 ・指定のメンテナンスを続けていけば、保証を30~60年程度までしてもらえる。

ハウスメーカーも同様に、ここで記載したものは一般的に言われていることです。メーカーや営業所などにより、詳細は異なるので確認が必要です。

選ぶときのポイントは?

工務店・ハウスメーカー選びが難しい理由は、比較ポイントが多いためです。各社で、一長一短あるため、どちらが良いかは、「建てたい家のイメージ」や「建てた後の暮らしのイメージ」によって異なります。

価格

自分たちの予算に、価格が収まっているかは必ず確認しましょう。

ホームページなどで坪単価の情報が記載されていることもありますが、あくまで参考値です。実際に見積りをとって価格を確認しましょう。

また、見積りを取った時にはこれ以外にも増える可能性がある部分(オプションなど)を確認しておくと、最終的な金額がいくらになるかが想定しやすいです。

工務店 ハウスメーカー
・職人のコストは高額になることが多い。 ・大量生産により資材コストを削減している。
・広告宣伝費を削減したり、冊子なども簡易的なものにするなどして、コスト削減している ・広告宣伝費を多くかけているため、その分の価格が高くなる傾向がある

技術力

技術力は家の間取りや耐震性、断熱機密性など建物の設計力、新しい構造や設備などを作るための研究開発力、実際に家を建てる職人の技術力にわけて考えられます。

家づくにはどれも重要な要素ですが、どこに重点を置くかを整理しておくとよいでしょう。

工務店 ハウスメーカー
・小規模な工務店は間取りと設計を同じ人が担当することも多い。家の耐震構造なども踏まえた提案をしてくれることもある。 ・間取りの提案などは営業マンによるところ大きいが、性能はハウスメーカーによって決まってくる。
・研究開発費は抑えていることが多い。 ・研究開発力は高い。新しい建築方法や技術獲得に会社の予算を割り当てている。
・職人を自社で抱えていたり、決まった職人を使っていることが多いので、技術力は高い事が多いです。 ・職人の技術力はばらつきがある。これはハウスメーカーは建築現場は下請け会社に依頼しており、どこの下請け会社にするかはハスメーカーが決めている。

品質

品質として、確認するポイントは、

  • 建築した家にばらつきがないか
  • 使っている設備や資材は良いものか

です。

設備や資材に関してですが、施工会社によっては自社開発のオリジナルの設備を使っている場合もあります。
例)積水ハウスは「窓」「内装材」を自社開発しているなど

木造住宅であれば、どのような木材(無垢材か集成材か、種類は杉や檜など)を使用しているかや、断熱材に何を使っているかも確認すると良いでしょう。

工務店 ハウスメーカー
・職人の腕によって品質は変わる。決まった職人に依頼している工務店だと、品質は安定しやすい。 ・規格化された家なので、ある程度工場で生産している。現場では組み立てるだけなので品質は安定している。
・キッチンや窓などの設備はLIXILやYKKなどの各種メーカーのものを選ぶ。 ・メーカーによっては住宅設備を自社で開発したものを採用している。

工期

工期の長さによって、希望する日程に住み始められないなども出てきます。着工してから引き渡しまでの期間も重要です。

設計期間にどれくらい時間をかけられるかも確認しておくと、焦らずに間取りや設備などを決めていくことができるでしょう。

工務店 ハウスメーカー
・職人が建材の加工や調整をしながら建てていくため工期は長い。4~6か月くらいが多い。
・工務店によっては、作りながら壁紙や設備を決められるので、じっくり家づくりをできるメリットもある。
・自社工場である程度加工し、現場では簡単に組み立てられる工夫をしているため2~3か月程度が多い。

自由度

間取りや、使用できる設備の選択範囲を確認しておくと良いでしょう。施工会社によっては、実現できない間取りがある、使いたいキッチンが取り付けられないということもあります。

どこまで、自由な設計ができるかを確認しておくと良いでしょう。

工務店 ハウスメーカー
・基本プランでキッチンなどのメーカーは絞られることもあるが、比較的自由に選べる。 ・商品が規格化されていたり、キッチンなどの設備はメーカーオリジナルを使用していることもある。制約は多い。
・間取りなども制約事項は少ない ・間取りも一部屋のサイズや配置などに制約があることがある。

住宅ローンの通りやすさ

住宅ローンの通りやすさは、属性で決まります。

一部になりますが、

  • 勤めている会社
  • 勤続年数
  • 年収
  • 資産状況

などです。

多少ではありますが、施工会社によってもローン通りやすさに違いが出ることがあります。

工務店 ハウスメーカー
・長く付き合っている銀行がある場合は、信頼関係が築けている場合は、多少通りやすくなることもがあるかもしれない。 ・営業担当者は頻繁に変わるので、銀行との担当者との信頼は薄くなりがち。しかし、建物の価値は安定しているため、担保としても安心がある。そこを考慮してくれる可能性もある。

アフターサービス

家は建てるだけでなく、その後のメンテナンスも重要です。保証の範囲や、何かあった場合に迅速に対応してくれるかがポイントです。

工務店 ハウスメーカー
・保証期間は10~30年程度。 ・延長保証などで、30~60年の保証をしているメーカーもある。
・地元密着なので、対応は親身なところが多いが、従業員の人数などにもより、対応が遅れる場合もある。 ・営業担当にもよるが、何かあった時の対応は迅速。

事業規模

事業が安定しているかが重要なポイントです。

建設中や、建て終わった後に倒産する可能性が高くないか、など確認しましょう。

工務店の場合は社員数や設計者の人数なども確認しておくと、何かあった時の対応がスムーズかどうかの参考にもできます。

工務店 ハウスメーカー
・地域密着なので規模は小さい。
・リフォーム中心で行っていてるか、注文住宅を中心かも確認しておくと会社の得意分野がわかる。
・事業規模は大きい。倒産のリスクは低いと言える。

実績

年間で何棟建ているかを確認しておくと良いでしょう。安定した着工実績があるかが重要です。施工会社によって事業規模が異なるため、数よりもこれまでの実績推移を確認しておくと良いでしょう。

工務店 ハウスメーカー
・小規模でやっているため年間の建築棟数は少なめ。
・1件1件の品質を落とさないために、年間の受注棟数を制限している会社もある。
・全国展開しているため、実績は多い。

担当者との相性

担当者との相性は家づくりで重要なポイントです。家づくりを楽しく行え、理想の家になるかは、担当者との相性といっても過言ではありません。

  • 質問に的確に答えてくれるか
  • 要望を汲み取ってくれるか
  • 適切な提案をしてくれるか
  • きめ細かなアドバイスをしてくれるか
  • レスポンスが早いか

などをチェックしたいところです。

営業担当者と設計担当者が変わる場合もありますので、設計中のやりとりについても確認しておくと良いでしょう。

工務店 ハウスメーカー
・小規模なところが多いので、営業担当や設計者が少数な場合が多い。会社の雰囲気が合えば、担当者との相性も合うことが多い。 ・営業担当者によって、相性も変わるので、良い人に当たるかは運。同じハウスメーカーでも人によるばらつきはある。

「どんな家を建てたいか」で工務店・ハウスメーカーどちらを選択するかは変わります。施工会社を決める前に、「自分たちはどんな家を建てたいのか」を明確にしておくことが、家づくりを成功させるための秘訣です。

工務店とハウスメーカーの違いがわかってきても、いざ施工会社を選び始めると、悩むことは多いです。

工務店とハウスメーカーに迷ったときは誰に相談するべきか

相談先は、どの観点で迷っているか・不安があるのかによって変わります。

例えば、
「工務店にするのか、ハウスメーカーにするのか」
「最終的にどこの施工会社に決めれば良いのか」
など様々です。

ここでは、相談先として有効なものをいくつかご紹介します。

スーモカウンターなど相談窓口

住宅情報サイト最大手である「SUUMO」は全国にスーモカウンター(https://www.suumocounter.jp/)を展開しています。スーモカウンターでは個人の希望にあった工務店やハウスメーカーの紹介や、注文住宅を建てるための相談に乗ってくれます。

また、家づくり講座も開催されているので、何から始めたらわからないという方も気軽に利用できます。全て、無料で相談できるので、有効に利用しましょう。

家を建てた経験がある友人・知人

家を建てた経験がある友人・知人であれば、経験談も含めて相談に乗ってくれるでしょう。「理想の家のためには3回建てる必要がある」と言われるほど、家づくりは難しい側面があります。

友人との相談であれば、「こうしておけばよかった」と後悔していることも話が聞けて、参考になる情報をたくさん得ることができると思います。

両親

家の購入は人生で一番大きな買い物と言われていますので、両親であれば親身に相談に乗ってくれるでしょう。家のことだけでなく、資金のことや、購入した後のライフプランに関しても相談ができます。

理想の家を建てることも重要ですが、住んでからの生活も重要です。

迷っている工務店やハウスメーカーで建てた人を紹介してもらう

いくつかの施工会社に絞れてきているのであれば、その工務店やハウスメーカーに、実際に建てて住んでいる人を紹介してもらうと良いでしょう。

都合などが合えば、その人の家を見せてもらうことも可能です。実際に住んでみての感想や、担当者との関係をみることで、アフターフォローなど友好な関係を継続して築けているかもみることができます。

最後に

今回は、工務店とハウスメーカーの違いや、家づくりのために比較するポイントについてお伝えしました。工務店が良いか、ハウスメーカーが良いか、更に言えばどの施工会社が良いかは、人それぞれことなります。

「理想の家」と「理想の生活」を整理して、選ぶポイントのうち、どこを重視するかの優先順位を決めておくと良いでしょう。

それでも迷ってしまった場合は、記事でお伝えした、スーモカウンターなどの相談窓口や友人、知人、両親などに相談しながら進めていってください。