自然素材の家で後悔しないために押さえるべき10のポイント

近年、住宅を建てる場合に自然素材を使用した家づくりが注目を浴びるようになりました。その背景には環境への配慮や人体への影響などへの感心の高まりが挙げられます。

利便性の追求や効率的な建築という観点では人工的な素材にももちろん優れた点はあります。しかし、様々な問題によって自然素材の価値が見直されているのが現在なのです。この記事を読んでいる方も、自然素材の家に関心を持たれている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

家づくりは、人生で最も大きな買い物のひとつです。「自然素材が良いな」と漠然と考えて詳しい理解の無いままに進めてしまっては、後悔に繋がってしまう可能性もあります。そうなると後戻りが難しいのが家づくりなのです。

そこで、自然素材の家を検討中の方に向けて『後悔しないために押さえておくべきポイント』10点に整理してご紹介します。将来の暮らしを形作る大切な家づくりというイベントのために、この記事を参考に自然素材の家について理解を深めておくことをオススメします。

そもそも住宅における『自然素材』とは?

自然素材とは、文字どおり化学物質などの人工的なものを含まない、自然由来の素材のことです。建築素材としては、無垢の木材や石材、漆喰や珪藻土などが代表的なものとして挙げられます。

自然素材はその性質から環境に優しく人体への悪影響も少ないため、現代においてあらためてその価値が認識されるようになってきました。

世界各地で伝統的に建築に使われてきた素材も多く、古い建造物などには自然素材を使用したものが多く見られます。ゆえにその性質に注目するのみでなく、住宅の雰囲気や質感をこだわる場合にも自然素材を用いるという観点も普及してきています。

古風でアンティークな家をコンセプトとしている『ラフェルム』でも、自然素材を活かすことでフランスの古民家のような魅力を再現することにこだわっています。

自然素材の家づくりで後悔しないための10のポイント

本題である「自然素材を使った家づくりで後悔しないためのポイント」についてご説明します。住まいにおける素材選びには、事前に考慮しておくべき多くのポイントが存在します。そして、その観点は様々です。

ここでは特に重要な以下の10点をご紹介します。ぜひ十分にご理解ください。

  1. 耐久性・劣化耐性
  2. メンテナンス
  3. 耐火・耐震性能
  4. 調湿性・断熱性・保温性
  5. コスト
  6. 壁材
  7. 床材・柱材
  8. 塗料
  9. 断熱材
  10. 見た目(フォルムや色)

1.耐久性・劣化耐性

長く住み続けられる家であるためには、素材の耐久性や劣化しやすいかどうかについて理解しておかなければなりません。こと自然素材に関しては特殊なコーティング加工などをしていないため、損耗したり傷がつきやすかったりする場合があります。

木材や石材などはその種類によっても硬く頑丈であったり、比較的柔らかくもろいものなど様々です。事前に各素材の特性を理解しておきましょう。

2.メンテナンス

メンテナンスや手入れのしやすさに関しても目を向けておく必要があります。

自然素材は、傷や汚れがつきやすいものも存在します。一方、上述した耐久性や劣化耐性が低い自然素材であっても、その分メンテナンスや修繕がしやすいものであれば、素材のデメリットをカバーできます。長い目で見ると、質を維持しやすい場合もあるのです。

手入れが不要なほどしっかりしている素材か、もしくは何かあっても簡単に修繕できる素材という観点を持っておくと、後悔の少ない素材選びに繋がります。

3.耐火・耐震性能

住宅において防災性能は大切です。特に日本では、耐震性能は無視できないでしょう。

昨今では、耐火性や耐震性を高めた新しい素材や部材を取り入れるなど、建築業界全体でもその意識を高めています。

代表的な自然素材である木材は「火に弱い」という側面があり、漆喰は「防火性能が高い」という特徴を持っています。素材によって性能は様々なのです。そのため素材の組み合わせも考慮に入れて、家全体の性能を考えておくと失敗の少ない家づくりが可能になります。

4.調湿性・断熱性・保温性

日本は四季があり、温度や湿度の変化が大きい地域です。そのため、素材を選ぶ際には調湿性や断熱性、保温性といった家の快適性も考えておかなければ、後悔に繋がりやすいものです。

自然素材には、多孔質(表面に小さな穴がたくさんある)で空気を通しやすく、調湿性や断熱性、保温性に優れたものが多くあります。部屋やスペースの用途に合わせて素材の性質を考えることも大切ですので、どういった空間を目指すのか事前に整理しておきましょう。

5.コスト

素材を選ぶ際には、コストにもしっかりと確認しておきましょう。後悔する原因としてコスト面の問題は非常に大きいものです。

自然素材には、その稀少性やかかる手間によって費用が高めになってしまうものも存在します。性能はもちろん重要ですが、コストがご自身にとって適切なのかも、十分に調べておくと良いでしょう。

6.壁材

壁材としては漆喰や珪藻土、木材などの自然素材が考えられます。

壁は家の中でもっとも目に入りやすい部位であるため、家の印象を大きく左右します。そのため色合いや質感に関してはよく吟味することが求められます。

また、前述した調湿性・断熱性・保温性の点においても壁材の性質がとても重要になるので、見た目と機能のバランスを考えておくことをおすすめします。

自然素材を使用する場合でも、つなぎや接着剤などに化学物質を使用しているケースがありますので、こだわる方はこの点も注意しておきましょう。

7.床材・柱材

自然素材の家における床材や柱材としては、よくヒノキやオークなどの無垢材を使われます。木材についてはしっかりと乾燥されているか確認するようにしましょう。湿気が残っていると、後に形状が歪んでしまったりする可能性があるためです。

特に床材は、その上を歩いたり家具を置いたりするため、傷や汚れが特に出やすい部分です。表面の塗装や磨きに関してもどのようにするか、見た目と照らし合わせて検討しておきましょう。

8.塗料

塗料に関しては、自然素材と謳いながらも化学物質を発生させるものもあるので、注意が必要です。依頼する会社や工務店などにこだわりをきちんと伝えておきましょう。

また、見た目の印象にも大きく影響する点でもあるので、塗装後の仕上がりも意識するようにしましょう。塗る先の素材によっては、イメージと実際の印象が変わる場合もあるためです。

9.断熱材

自然素材に徹底的にこだわる場合は、断熱材とのバランスもしっかりと考える必要があります。

塗料と同じく、自然素材とされながらも部分的に化学生成材を含んだ断熱材があるので注意するようにしましょう。また、自然素材を使った断熱材はコストがどうしても高くなる傾向があることは理解しておくと、思わぬ予算オーバーを避けられるでしょう。

10.見た目(形状や色)

自然素材にこだわる場合、その見た目を好んで使用したいという方も多いはずです。ご自身の理想とする家のデザインに合わせて、素材の持つ形状や色合いにも目を向けると良いでしょう。自然素材は曲線や歪みなどを活かしたものが多く、不揃い・不均衡さのある手作り感が魅力でもあります。整然としてシャープな印象のデザインを求める場合には注意が必要です。

また、色合いやトーンに関しては、自然のものであるため落ち着いた印象の素材が中心です。家に置く設備や家具などの色とのバランスを考えて素材を選ぶようにすると良いでしょう。

まとめ

自然素材には利点もあれば、求める暮らしによっては好ましくないと後悔してしまう性質も存在します。機能や見た目の一点だけを見て考えるのではなく、総合的に判断してご自身に合うかどうか見極めるようにしましょう。

また、どの自然素材であるかによっても注意すべき点は変わってきます。イメージだけで決めずに、しっかりとひとつひとつ吟味することを心がけると良いでしょう。

ラフェルムでは、漆喰や無垢材などの自然素材を活かしたアンティークな家づくりをご提供しています。自然素材についてお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。