家づくりで住み心地を考える上では、間取りや機能性だけでなくデザインもとても大切な要素です。
様々な文化を取り入れた現代の日本では、家のデザインにおいても多種多様な選択肢が存在します。現代的でスタンダードなデザインの家から、デザイナーズと呼ばれる独創的な見た目の家、日本家屋をイメージした家まで、趣向に合わせて好きなデザインを実現できます。
この記事では、その中でも『アンティーク』をテーマとした味わい深いデザインの家づくりについて解説します。こだわる方も多いアンティークを活かした家とはどういったものなのか、実例としてフランス風のアンティークな住宅の実例もご紹介します。
アンティークな家づくりに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
アンティークとは
そもそもアンティークとはどういった定義なのか、まずはご説明します。
アンティーク(antique)とは英語で、「古い」、「古風な」といった意味を持つ言葉です。その意味が転じて、「古着」や「骨董品」、「古美術品」そのものを指すようにもなりました。新品ではなく一定の時間使用されたモノであり、経年と使用され続けたことによる独特な美しさや稀少性が評価され、そもそもよりも高い価値を持つようになった品も多く存在します。
具体的な定義としては、「製造から100年を経過した手工芸品や美術品」をアンティークとし、現代では少なくなりつつある手作りの技術を再評価した表現であるとも言えます。後代にも残すべきものとして扱われ、その稀少性から文化的遺産として保管されているものも少なくありません。
ちなみに、同様の表現としてヴィンテージという言葉も用いられますが、これは一般的にはアンティークよりも製造された時期が新しいものを指して使われます。
現代では、アンティークの古めかしい美しさを再現するため、アンティーク調の加工を施したモノも多く作られるようになりました。これによって、デザインとしてのアンティークを気軽に楽しむことができるようになっています。
アンティークの種類
国や地域によって作られるものは様々ですので、アンティークに関しても様々な種類があります。英語ということもあって西洋のものを指す印象を持つ方も多いと思いますが、西洋と言っても、フランスやイギリス、ドイツ、さらにはデンマークやスウェーデンなどの北欧といった具合に細かく分類されます。
その地域それぞれに伝統的な技術や素材を用いた特徴的なアンティークは存在し、人によって好みも多岐に渡ります。西洋だけでなく、中東やアジア、アフリカなどにももちろんアンティークに当てはまるモノは存在します。日本のいわゆる和風な骨董品もアンティークのひとつです。
家のデザインにアンティークを取り入れる場合でも、どういった色調や風合いのものが好みであるのか、希望する住宅とはどういったものかで、テーマとする『アンティークさ』次第で十人十色となるでしょう。
アンティークな家の紹介~フランスをイメージしたアンティーク調~
アンティークな『家』とはどういったものなのでしょうか。ここではラフェルムがテーマとするフランス風のアンティークを取り入れた住宅を例としてご紹介します。
フランスの文化には家や家具などを修繕しながら大切に使う風習があり、経年によって自然に劣化した素材の美しさが、シンプルなデザインの中に味わい深さをプラスしているアンティークが特徴です。『フランス風』の家のデザインはアンティークの主張も強すぎず、様々な住宅にもマッチさせやすいため、少しアクセントとしてアンティークを取り入れたいという方にもオススメです。
以下に、10のフランスアンティーク風の家を事例を紹介します。
- 細かいところまでこだわりを持って楽しく作った家
- 素敵なアイデアが湧き出る住まい
- 素朴さが魅力の可愛い平屋
- ゆったりとした家族の時間が流れる家
- ホワイトを重視した美しい家
- リビング階段のある空間が魅力的な家
- 大人かわいい魅力いっぱいのお家
- 大きな窓のあるリビングが魅力のお家
- アプローチ階段が美しい外観をつくる家
- バーカウンターのあるお家
1.細かいところまでこだわりを持って楽しく作った家
アンティークといっても家具や内装だけでなく、屋根の瓦や庇(ひさし)なども当てはまります。経年加工を施した柔らかな色合いの素材を活かしたデザインです。
フランスの片田舎の家では、むき出しになった天井の梁が印象的。梁のオーク材も経年加工を施しアンティークさを生み出すことで、木の美しさが光ります。家具もアンティーク調で揃えると見事な調和が生まれます。
床やドアもエイジングを施された素材を使用。それだけでなく、ドアノブや階段の手すりなどもアンティークさにこだわることで、落ち着いた統一感ある仕上がりの景色が広がります。
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細かいところまでこだわりを持って楽しく作った家
2.素敵なアイデアが湧き出る住まい
アンティーク調のものを揃えつつ全体のトーンを少し明るめにこだわることで、重くなり過ぎないためアンティーク初心者にも馴染みやすい空間づくりが可能です。
キッチンも収納から小物までアンティークで揃えると、素敵なスペースが出来上がります。随所に木の味わいを足すことで手馴染みが良く柔らかい印象に。
アンティークは木や金属素材、皮といった様々な素材の味わい深さを引き出してくれます。その上、それぞれがうまくマッチしてくれるので統一感が生まれやすいのです。
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素敵なアイデアが湧き出る住まい
3.素朴さが魅力の可愛い平屋
平屋の場合、天井の形状を活かして立体的にアンティークな木材の梁を見せることで、柔らかな木の存在感が際立ちます。
照明器具もアンティークなものを選んで、主張しすぎずさりげないオシャレさを演出。明るさも程よい電球にすると、優しく木材を照らしてくれて良い塩梅に。
床材には模様+アンティーク加工のものを使用すると、ちょっと違った空間づくりができます。スペースによって違いを作ることで、いつまでも飽きの来ない楽しみが味わえます。
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素朴さが魅力の可愛い平屋
4.ゆったりとした家族の時間が流れる家
広々とした空間に印象的なアンティーク家具を置くことで、良いアクセントになってくれます。ソファーなど存在感があるものだけでもアンティークなものをチョイスすることで、グッと雰囲気は変わります。
現代的なシステムキッチンにも、シンプルなアンティーク造作家具であれば程よくマッチしてくれます。一見合わせることが難しそうでも、色合いなどを工夫することで違和感なく馴染みます。
水回りに相性の良いタイルもツヤが強いものでなく、敢えて少し年を経たような加工をされたものを取り入れると、アンティークな表情に。
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ゆったりとした家族の時間が流れる家
5.ホワイトを重視した美しい家
照明器具に少し煌びやかなものをチョイスすることで、気品のある雰囲気が生まれます。フランスの片田舎らしい漆喰壁の白さが際立ち、やわらかな明るさも確保できます。
テーブルや吊り棚などは、経年加工を施した木材を使用することでアンティークな風合いになり、モダンすぎないあたたかみある表情を生み出します。
ドアには職人手作りのこだわりのアイアン装飾を。ちょっとした工夫を加えるだけでもお部屋の印象はガラッと変わってきます。
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ホワイトを重視した美しい家
6.リビング階段のある空間が魅力的な家
玄関の照明などもアンティーク調のものを選ぶと、外からの印象も一味違った表情に。
吹き抜けのような広々とした空間では、随所に木材を使用した味わい深いアイテムを添えることで、漆喰壁の白さを引き締めてくれまとまった印象に仕上がります。
現代的な住宅では隠したり表面を塗装することが多い柱も、傷をつける独自の加工をした木材を全面に出すことで、空間の主役にもなるアンティークな魅力が漂います。
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リビング階段のある空間が魅力的な家
7.大人かわいい魅力いっぱいのお家
アンティークなお家は、照明の配置や色合いにもこだわることでより魅力的な表情を生み出します。窓やドア、漆喰壁などは優しい照明と相性が良く、日が暮れる頃には幻想的な外観に。
アンティークな家具や小物を揃えると、オシャレなアトリエのような空間にも仕上げられます。ソファーの布カバーも印象的なお部屋です。美しい白には、緑がよく映えます。
こだわりたい方には、アンティーク感が強いデザインの家具を取り入れるのもオススメです。西洋風のテーブルや椅子の細工で異国感のある空間に。毎日の日常は、素敵な物語になります。
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大人かわいい魅力いっぱいのお家
8.大きな窓のあるリビングが魅力のお家
アンティーク加工を施した深い色の木材は、陽の光と相性バツグンです。自然素材は自然な明かりと合わせるとその魅力を見せてくれます。大きな窓で採光することで白い漆喰壁が明るさを放ち、日中は照明がいりません。
天井一面をウッド素材にすることで、片田舎の古い家のような景色が生まれます。
部屋全体の見事な調和が、アンティークの風合いをつくります。
玄関にも、経年加工を加えた木材やタイルを加えることで、味わい深いアンティークの雰囲気に仕上がります。落ち着く色合いが見事に合わさった素敵な玄関です。
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大きな窓のあるリビングが魅力のお家
9.アプローチ階段が美しい外観をつくる家
この家は玄関に続くアプローチ階段が印象的。手すりにアンティークなアイアン素材を使用し外観から雰囲気づくりにこだわっています。
ダークな色味の木材をふんだんに使用し、シックで大人な雰囲気の室内。加工によって木の柔らかさが出て、長年使いこんだような絶妙な印象に仕上がります。
キッチンの収納もリビングとトーンを合わせて統一感を持たせています。少し焦げたような木の表情が何とも言えず魅力的です。
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アプローチ階段が美しい外観をつくる家
10.バーカウンターのあるお家
バーカウンターをイメージしたこだわりのキッチンには、エイジング加工のウッド素材が良く合います。無機質なステンレスと暗めな色味の木は相性が良く、モダンとアンティークが上手く融合しています。
シックな色味の木材をたっぷりと使い、小物もとことんこだわることで、歴史あるアンティークなバーのような雰囲気が全面に広がります。
半地下の収納スペースの扉もレトロなデザインで印象的に。フランスの片田舎にあるワインセラーを彷彿とさせるちょっとしたこだわりです。
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バーカウンターのあるお家
まとめ
アンティークは、現代的なデザインとはまた違う魅力や良さを持っています。今回ご紹介したお家の例から、アンティークに一層興味を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
全面的に揃えてこだわったり、部分的に使用してモダンと上手く馴染ませたりと、アンティークの活かし方・楽しみ方は様々です。
ここでご紹介したようなフランス風のアンティークを新居に取り入れたいという方は、ぜひ一度ラフェルムオンラインにご相談ください。イメージに合う形で魅力あるご提案をお届けします。